COLUMN

売上げが伸びない理由と打開策-売上げの壁(1) 成長戦略

売上が伸びない理由にはもちろん多くの内的、外敵要因が絡んでいます。大きく分けて組織や仕事の遂行の仕方などによる内的要因と、競合状況や社会情勢・景気といった外的要因の2つに分けることができます。

今回のコロナ禍による経済の低迷は、明らかに外的要因ですね。この場合は、影響を受けやすい業種や比較的受けにくい業種などがあり、自社の努力ではどうにもならない不可効力が働いてしまいます。こんなときのために、国や地方の行政執行機関によって、経済的なセーフティーネットが用意されるのですが、その巧拙もまた私たちにとっては不可抗力な部分です。

さて、自社製品(サービス)ともに、よく売れてはいるけれども、数年にわたって同じ売り上げ規模で伸び悩む状態がつづいているのであれば、その場合には2つの大きな要因が考えられます。

“売り上げの壁”と、“新規事業への取り組み”です。また、往々にして、新規取り組みがうまく立ち上がらないのは“売上げの壁”に主な原因があったりするので、この壁は決してそのままにすることはできません。

売上げの壁

企業には、経験則として、いわゆる売り上げの壁が存在します。

ちまたでは、色々な数字が言われており、業種によっても大きく異なってきますが、企業の成長に合わせてみていくと、たとえば、2000万円、1億、10億、30億、100億などがあります。また、3億や7億という壁もあるようです。

ちなみに、1000万円も大きな壁なのですが、2000万円以降とは原因が異なり、そもそも成長の流れにうまく乗れていないなど、そもそも事業としての前提に問題があるので、また別の機会にお話しします。

2000万円以上であれば、そこで共通している課題はほぼ内的要因が主因です。具体的には、経営者の意識、組織のあり方、仕事の進め方などの“会社の仕組み”に原因があります。

違いを2000万円と1億円以上、30億円以上の壁に分けてみてみます。

2000万円の壁

特にサービス業の場合、社長1人の会社などでは、物理的(時間)な制約で、どうしてもこれ以上の案件数をこなせない壁です。とはいえ、無事に1000万の壁は突破しているので、提供するサービスはクオリティーも高く、顧客からの信頼も得ていることが窺えます。

法人化した個人サービス事業であれば、主な経費は役員報酬と販管費のみですので、利益率は50%以上あり、このレベルで安定した事業が継続できるのであれば、特に問題はないかもしれません。

ただし、これほど変化の激しい時代、いつまでもこの状態を続けていけるのか、常にリスクが伴います。

そこで、取るべき対応策には2つ考えられます。

1)の「単価を上げる」は、そのままではおそらく心理的な抵抗が強いことでしょう。でも結構、「案ずるより産むが易し」で、値上げ交渉はタイミングを見て試みる価値は十分にあります。それがまず第1弾です。しかし、これだけではせいぜい50%アップほどで、ほどなく再び物理的(時間)の壁に突き当たってしまいます。

そして、それと同時並行で行うべきは、2)の”商品“レベルを向上させる策です。おそらくこの段階では、”商品“としてのサービスはまだまだ洗練の度合いが足りません。ここでいう「洗練」とは、”論理的に言語化“することです。もう一つの「洗練」は、研ぎ澄まされた感覚から生み出される”アート“ですが、この段階ではアートではなく、ロジックによる「洗練」です。

そして、論理的に言語化されたサービスを「体系化(標準化)されたサービス」と言います。

経験と勘、センスが必要なアート的な要素の強い職人の仕事では、どうしても物理的(時間)の壁を超えることができないものです。その分、熟練した職人技には、それなりの値付けが可能になってきますので、その域に達していれば何の問題もありません。

しかし、通常のビジネスにおいては、このようにはいきません。ですが、サービスを論理的に言語(文章)で体系化(=標準化)することで、もっとも時間を取られる仕事の“カスタマイズ”の部分を、かなり標準化できます。

その結果、より多くの仕事を同時に引き受け、こなすことができます。1億円の壁の突破も視野に入ってきます。

体系化(標準化)することにはもう一つ大きなメリットがあります。標準化の結果、他者にも容易に伝えることができ、あらたなサービス展開が可能になることです。その一つの形が、フランチャイズ/ライセンス・ビジネスです。また、社員を雇って同じクオリティーのサービスをより多くの顧客(地域の拡大など)に展開することで、事業を大きくより強くしていくことも可能になってききます。

つまり、論理的に言語(文章)で体系化(=標準化)することは、そのまま新規事業開発や新規事業展開につながり、2000万円の壁を突破する起爆剤になるのです。

ところで、世の中で最も体系化(標準化)されているビジネスは何かお分かりになりますか?

それは、弁護士や会計士などの士業です。論理的に言語化された「法律」と「会計基準」こそが、それらの体系です。ただし、それらの体系を創っているのは国家や公的機関ですので、ビジネス的に見れば士業の方々の立場はライセンサーではなく、ライセンシーとなります。

次回は、1億円の壁についてお話します。

FBPへのお問い合わせはこちら

ページトップに戻る